「コンラッド……」

「……何ですか、ユーリ」

「あっ、ちょっと、やめ……離して」
「嫌です。せっかく2人きりなのに」

「……っ、あっ……あっついわー、こんちくしょー」



 ベッドの端へ移動すれば、隙なくコンラッドが体を寄せてくる。
 ならばとベッドから抜け出そうとすれば、すぐに腕が伸びてきて捕まってしまう。

 堪忍袋の緒はいつか解けるように出来ているし、ましてや耐熱性ではない。
 ただでさえ暑い日にくっつかれれば、おれだって叫びたくもなる。


「なんでわざわざ暑苦しいことするんだよ!? そっちの布団使え」

 お泊り客用の布団も一応出してある。
なのにコンラッドときたら、恋人を床で寝かせるんですかと言ってすぐ潜り込んで来るのだ。

 やめてくれ、頼むから。

「コンラッドがベッド使いたいなら、俺が布団で寝る!」
「余計駄目です。ユーリはここで寝てください、ね」

 表の仮面だと判っていても、この笑顔で囁かれると弱い。

「うぅーっ、卑怯者」

「なんとでも。それであなたが俺だけのものになるなら喜んで汚名を着ますよ?」

 怒りを枕にぶつけていると、掬い上げるようにして両手を捕まれた。
 今まで横にあった顔が上に移動する。

「ほら、陛下。騒いでいると気づかれますよ」

 『陛下』の言葉に耳元が擽られた。
そういえば、こっちに来てからは一度も聞いてないような。

「んっ、ん……わ、わざとだろッ」

 リビングではまだおふくろが起きているはずだ。
 どうしても声を抑えがちになる。

「ばかっ、やめろ。鍵もかけてないのに、おふくろが入ってきたらどうするつもり……ひゃっ」
「鍵をかけたらいいんですか?」

 小さく笑い、薄いパジャマの上から手のひらを胸に滑らせた。

「ユーリ、どうしたい?」

 普段はどうでもいいことでも鋭いくせに、こんなときだけ分からないフリをする。
 コンラッド(確信犯)め!
しかし抵抗がいつまでも続くはずもなく……

 首筋を甘噛みされて、それが我慢の限界だった。

「……ドアの鍵、閉めて」

 言えばスッと離れるかと思ったら、行為の手を止めようとしない。

「こんらっどっ」

「大丈夫ですよ、もう閉めてあるから」
「……!?」

 いつの間に。

「さて、ユーリの許可も貰ったことだし、暑さを忘れるくらい激しくしてみましょうか」

「鬼ーッ!」
「ちがいますよ? 鬼じゃなくて獅子です」


 せめて3度は頑張って下さいね、と言われ意識を手放したくなったのは言うまでもない。



 −終−


かはっ……(Д・;)吐血
微エロの予定が「び」の字もないよっ。ジ○ロに連絡されちゃうよ!?(しないだろ)

結局2人はあの後、地球に留まったってことで……
ユーリの部屋IN。

ママさんを気にしてるけど、ママさんは何でも知っている(笑)
きっと階下では「お赤飯炊かなくちゃ〜」とか言ってるんです、たぶん。





沙良様に書いていただきました!(嬉)
めちゃくちゃ書きにくいだろうリクエストをしたのにおまけまで書いてくださりました(ホロリ)
沙良様ありがとうございます!!